関西私鉄の第3四半期決算が出揃いました。
大半の鉄道会社で改善傾向に。しかし近鉄は…
各社とも最終的な損益は赤字ですが、それぞれ第2四半期から比べると相当な改善がみられます。また京阪ホールディングス、南海に関しては営業利益を計上しており、順調にいけば当期純利益も見込める状況です。
しかし、関西私鉄では最大の売り上げ規模を誇っていた近鉄グループホールディングスに関しては営業利益では前期より-56億円、純利益は-40億円と悪化してしまいました。
不動産業以外は赤字
近鉄グループホールディングスをセグメント別にみると安定収益を得られる不動産事業とその他事業を除いて赤字が続いており、その累積赤字額が赤字部門で増加しています。(Q3単独期で利益を計上したら赤字額が減少します)
特に元々固定費が高く利益率が低いホテル・レジャー業は約70億円の赤字を新に計上しています。このセグメントに関しては決算説明会において徹底的なコストカットや赤字部門の縮小、撤退を検討していることが示されていました。
近鉄自身は輸送人員は回復傾向にあると言っている運輸業ですが、損失が増加しているのは客単価の高い定期外旅客がまだ回復していないということでしょうか…
グループを支えていた運輸事業
2019年度まで(厳密には今もですが)運輸業が全体利益の半分近くを占めており、近鉄グループの大黒柱を担っていました。
しかしコロナウィルスによって不動産事業とその他事業以外が赤字に転落、相当苦しい状況が続くと思われます。