規模では関西一の鉄道会社である近鉄グループホールディングスの期末決算が発表されました。
427億円の純利益を計上
営業収益については6900億円と昨年とほぼ同じなものの、営業利益については38億円、純利益については427億円を確保することが出来ました。
営業利益より当期純利益の額の方が大きい理由については後ほど。
運輸事業については依然として赤字
セグメント別にみるとこんな感じ
近鉄グループの大黒柱ともいえる運輸事業については2020年度と比べると増収、改善ですが依然として赤字となりました。
他のセグメントについても同様で2020年度と比較すると改善傾向にあるものの、依然として不動産事業が今の近鉄グループを支えている状況になっています。
特別利益を多額計上
上で述べましたが、営業利益38億の一方で純利益は427億円と少々歪な数値になっている(大抵は足し引きするので下に行くほど少額になる)のは四半期決算の時も述べましたが特別利益を多額計上したのが原因と思われます。
計上額は409億円。主な内訳は負ののれん発生益が108億円、固定資産売却益が206億円となっています。
固定資産の売却益についてはホテル及び関連施設の売却益が主な要因だと考えられます。
負ののれんについては以前も述べましたが超簡単に言うと、企業買収時に買取価額と純資産額の差額の事であり、通常は買取価額の方が高いので「のれん」が計上されるのですが、反対の場合は「負ののれん」が発生します。
また営業外収益において持分法による投資利益が昨年比約100億円と増加したことも純利益増加の要因と言えます。