京阪ホールディングスの決算短信(2020年度)が発表されました。
税引き前では黒字だが…。
第3四半期では営業利益を獲得していましたがやはり再度発出された緊急事態宣言によるものなのか、決算ではは12億円の営業損失となりました。
因みに経常利益を計上しているのは雇用調整助成金(約18億円)と雑収入(約14億円)の増加によるものです。
その他、有価証券の売却益でも53億円もの特別利益を計上しましたが、減損損失25億円(収益性の低下によって資産の帳簿額を切り下げること)の計上を行ったため、税引き前当期純利益は9億円と一応黒字です。しかし法人税等によって最終的な利益は45億円の純損失となりました。
運輸業、レジャー業で大きな損失
京阪グループの主力事業である運輸業とレジャー・サービス業が赤字部門となっており、稼ぎ頭である不動産業の利益を超える損失が発生しています。
京都に集中してホテルを所有している京阪ですが、一時はGO TOキャンペーンによって稼働率を上げたもののキャンペーン中止後は再び稼働率が落ち込んでいます。
その他事業は以前お伝えした新店舗開業などもありましたが前年と同様に赤字で着地しました。
実はそこまで減っていない通勤客
続いて京阪の旅客収入ですが、2020年度第1四半期は緊急事態宣言もあって大幅に落ち込んだのですが、その後通勤客(定期旅客)は35億円程度で推移しており、意外に減っていない(といっても2019年度と比べると10億円程度落ち込んでますが)のが特徴。定期外旅客も50億円後半~60億円程度で推移しています。
2021年度予測では黒転する見込み
暗い話ばかりもアレなので最後に2021年度予測を見てみると、コロナによる影響は回復傾向にあるとして最終的には53億円の純利益を見込んでいるみたいですね。
運輸業も2019年度の8割程度の回復を見込んでいる模様ですが、ホテル―・レジャー業だけは72億円の赤字が見込まれており、依然として厳しい経営になると思われます。