鉄道会社の組織、働き方を大別すると、運転士や駅員、保線など最前線で仕事をする「現業職」と、総務経理、災害時の対応や今後の経営経方針を決めることを主な仕事とする「総合職」に分けられます。
一般的に本社とは、会社の意思決定機関やバックオフィス(人事、経理、総務など)が集まる、会社経営の中枢を担う場所のことを指します。
鉄道業界で言い換えると総合職の方が働いている場所、と言えるでしょう。つまり総合職として入社した方の大半はいずれこの「本社」で働くことになります。
今回は関西大手私鉄の中枢機関である本社がどこにあるのか?について調べてきました!
なお、本社ビルは原則として関係者以外立ち入り禁止ですので注意してください(学生で入りたい方は頑張ってインターン行きましょう!)
近鉄グループホールディングス/近畿日本鉄道(近鉄)
近畿日本鉄道を関西私鉄では最大の売上高、規模を誇る近鉄グループホールディングスの本社は上本町にあります。中核会社の近鉄電車の本社機能もここ。
最寄り駅は自社路線の近鉄上本町駅で、駅の真横に位置しています。
なお、近鉄不動産は隣のビルに入居しているみたいですね。
建物は1970年竣工、明灰色でシンプルで、設計は村野藤吾という建築家が担当しました。
村野さんは難波の新歌舞伎座も担当されている著名な建築家なんだそう。
京阪ホールディングス/京阪電気鉄道(京阪)
大阪、京都を中心に事業展開をしている京阪グループの本社は大阪市内、天満橋にあるOMMビルに入居しています。
OMMビルはOsaka Merchandise Martの略称で、低層階には飲食関連、中層~高層階にはオフィスおよび会議室があり、そのうち2フロアに京阪グループの本社が入っています。
ちなみにOMMビルの所有者はグループの京阪建物という会社。
有名な話ですが、京阪ホールディングスの本社事務所はここOMMビルにありますが、登記上(法律上)の本店は枚方市駅にあります。
また中核会社である京阪電気鉄道については、本店所在地である枚方市に本社機能を移転することが発表されています。
OMMビル自体がかなり老朽化している模様なので、ホールディングスもいずれ移動するかもしれませんね。
対岸からみるとかんな感じです。
アクセスは自社路線天満橋駅から駅直結と利便性は(今のところ)最強。
私が外から見た限りでは2フロアすべて京阪グループが入居しているみたいですね。階層的には他社に比べてありませんが、1フロアの面積では最大かもしれません。
ガラス張りで超カッコいいですが、マジックミラーなので(外が明るいうちは内部から丸見えなので)カメラを向けるのは少し恥ずかしい。
南海電気鉄道(南海)
大阪、和歌山を中心に事業展開をしている南海グループの本社は新今宮付近にあります。
アクセスは難波駅、、、と言いたいことろですが、難波からだとそこそこ歩くため、今宮戎駅が最寄りとなります。
2013年竣工と今回紹介している中では(現時点では)新しい建物になります。
下層階には大阪公立大学のサテライトキャンパスが入居しており、さらに前の建物はZepp Namba(Osaka)があり、本社しからぬ賑わいがあるのが特徴的。
この辺りは南海グループが総力を挙げて再開発に取り組んでいるので、今後の発展に注目ですね。
ちなみに門には古レール(?)が飾られていました。
なお南海電気鉄道についても本店と本社事務所所在地が微妙に異なるみたいですね。
阪急阪神ホールディングス/阪神電気鉄道(阪神)
阪急阪神ホールディングスの中核会社でもある阪神電鉄ですが、ホールディングス傘下になった今でも本社機能は従来の建物から移動していないみたいですね。
最寄りは自社路線の野田駅で、駅直結という立地です。
西大阪高速鉄道もこのビルに入居していますが、このビル、阪神星光ビルディングという名前なんだそうです。
奥にも阪神の看板が見えますが、現在阪急阪神グループの情報通信業の中核を担うアイテック阪急阪神が入居しているビルになります。
阪急電鉄
最後に阪急阪神ホールディングスのもう一つの中核会社である阪急電鉄。
1992年竣工と、そろそろ経年かな?という築年になってきましたね。
阪急電鉄のほか、阪急阪神ホールディングスの本社所在地になっており、阪急阪神グループの中枢機関でもあります。
ただし、元々阪急グループの建物たっだこともあってか、外部から見る限り阪急電鉄の社名石碑しか設置されていないのが特徴です。
梅田、茶屋町という自身で開発した土地の一等地に立っています。
商業施設のど真ん中に立っていることもあって、終始人の往来が多い場所です。ゆえに鉄道に詳しくない人でも見たことはあるのではないでしょうか。
因みに隣には梅田芸術劇場、アプローズタワーがあります。
最寄りは勿論阪急梅田駅が最寄りですが、大阪メトロ中津駅のほうがもっと近い..(笑)
公式ツイッターじゃなくてXでも投稿されていましたが、オフィスは絶好のトレインビューなんだそうです。
ビデオ撮影班の様子と一緒に、
— 阪急電鉄 【公式】 (@hankyu_ex) December 24, 2019
本社ビルの窓からのアングルも。 pic.twitter.com/c4mCDBnRv6
また、1階ロビーにある鉄道模型のジオラマについては自由に見学が可能みたいですね。
阪急電鉄本社ビルにある、もう一つの阪急大阪梅田駅。
— 阪急電鉄 【公式】 (@hankyu_ex) November 12, 2019
一般のお客様も、鉄道模型ジオラマのある1階ロビーには自由にお入りいただけますよ。
(平日の9:00~17:30頃まで ※土日祝など本社が休みの日は開いてません) https://t.co/UvxeSRQkCn
但し(当たり前ですが)、一般企業の事務所であることには変わりないので、節度を守って見学するようにお願いいたします。
因みに…
大阪市内を縦横無尽に走る大阪メトロの本社は京セラドームの真横にあります。
こちらも比較的新しい建物になり、ロビーに(記憶の限りでは)大型模型が飾ってあったと記憶しています。私が入社試験を受けた際、ここの会議室を利用させていただきましたが、とても綺麗な建物だったと記憶しています。
おわりに
繰り返しになりますが、本社は原則として関係者以外立ち入り禁止ですので注意してください。
ただ、就活生など、将来働く場所を先に見ておきたい!ということで外から眺める程度なら特に問題にならないと思いますので、是非企業分析に役立ててくださいね!