[会計]近鉄GHD、京阪HD、JR西日本が来年度よりプライム市場を選択!

経営・会計学
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「東証一部上場」や「ジャスダック上場」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思われます。

その東京証券取引所の市場区分ですが2022年4月4日より、その従来の「東証一部」や「ジャスダック」などの区分を刷新し、新たに3つの区分に改変する事が決定しました。

 そこで在阪鉄道会社のうち、近畿日本鉄道を中核とする近鉄グループホールディングス、京阪ホールディングス、西日本旅客鉄道(JR西日本)についてはグローバルで活発な取引が行われるであろう市場区分であるプライム市場に適合し、さらに移行時には選択予定という決議が行われました。

 ただし残りの阪急阪神ホールディングス、南海に関しても結果通知はなされていると思われますが公表は行われていません。

区分は3つ

 最初に述べた通り刷新後の市場区分は3つ。これまではジャスダックと東証二部といった具合に性質が重複した市場の存在が刷新の要因の一つなんだそう。各新区分について簡単に説明すると、

グロース市場は所謂ベンチャー企業といった経営基盤が不安定なものの、成長可能性を有している企業向けで、新規上場基準が比較的緩いのが特徴です。

スタンダード市場はプライム市場ほどではないが、ある程度のガバナンス(企業統治)は充分行われており、投資対象になり得る企業向けです。

プライム市場については多様な投資家に対応できるようなガバナンスを有しており、国際的な投資家の対象になるに質する企業が対象で、高度なガバナンスの適用が求められます。

 基本的に現在東証一部の企業はプライム市場への移行を行うと考えられ今回公表した3社も同様の動きになりましたが、どうも判定基準が高く朝日新聞(2021)によると、現在東証一部上場企業のうち約3割の企業が1次審査において不適合であったと報じています。

移行後は高度なガバナンスが求められる

 またプライム市場について高度なガバナンス(企業統治・ルール作り)が求められることになっており、基本原則は勿論の事、補充原則に加えてより高い基準の適用を企業に求めています。

 一例でみると、グローバルな投資を促進するための英語による書類開示、近年話題であるSDGs,ESGの観点から気候変動に関する取り組みの開示、社外取締役を3分の1以上、可能であれば過半数という中々厳しいガバナンスの適用を求めています。

 気候変動についても盛り込む点についていろいろと意見が噴出しそうですが、近年では国際会計基準を設定しているグループであるIFRS財団においても独自のサスティナビリティ基準を創ろうという風潮があるように、国際的なトレンドに乗っかる感じになったみたいですね。

参考文献

・稲垣千駿(2021)「1部上場664社がプライム基準に届かず 東証市場再編」朝日新聞DIGITAL

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