[阪急]Hマーク制定に至るまでの経緯

阪急
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 阪急電鉄は以前社章の他に「Hマーク」という疾走感あふれるマークを持っており、2200・6300系から8000・8300系までの形式に取り付けられていました。

章ではない

 この「Hマーク」ですがコーポレートマーク、いわゆる社章ではありません。この頃の阪急の社章は京都市、大阪市、神戸市の市章を組み合わせた円形のものが使用され、車輛側面に取り付けられていました。

 しかしこの「Hマーク」は登場後様々な場所で用いられるようになり、さながら準社章のように用いられていました。このマークは山口益生氏によると、紆余曲折を経て誕生したといわれています。

最初は「阪急」か「Hankyu」を提案していた

レイルロード(2012)「阪急6300 VOL.1 (車輌アルバム 14)」より画像引用

Hマークが取り付けられるようになった発端は 2200系などは運転台後方に窓がないため、その場所に装飾としてシンボルマークを付けられないか?という議論から始まりました。

 そこでまず提案されたのが「阪急」と「Hankyu」というもの。しかし即却下されてしまった様です。
 確かにベタといえばその通りですが、やっぱり端的に阪急車輛と判らせるのには優れている気もしますが..。
因みに漢字のマークに関しては実際に図面上では検討されていた模様で、「阪急」の文字が入った図面が6300系引退記念DVDにおいて確認できます。

 そこで次は社内の担当課に依頼して出来上がったのが上図いちばん左の図。3つの路線を表したものらしいのですが、外国の車輛のエンブレムに似ていると話が出てこちらもボツに..。

参考になったJNRマークと百貨店のブローチ

 

 そして社内から阪急百貨店の従業員がつけていた「H」のブローチ、国鉄のJNRマークは参考にならないか?という助言を貰って出来上がったのが「H」の初案デザインだったそうです。

 しかし「み」に見えるということで少し修正を入れて出来上がったのが正式採用された「Hマーク」でした。

現在は「Hankyu」の文字が入った社章が用いられる

 当時「今さら『阪急』はない」といって一蹴された「阪急」「Hankyu」ですが、それから17年ほどたって社章はHをシンボライズしたロゴに「Hankyu」の文字が入った華麗なマークに変わった上、張り替えられることになりました。

なお、最近の更新車、新製車は「Hankyu」が省略されたステンレスのコーポレートマークが取り付けられています。

参考文献および参考DVD

山口益生(2012)「阪急6300 VOL.1 (車輌アルバム 14)」レイルロード

株式会社阪神コンテンツリンク(2010)「35年間、ありがとう。阪急電鉄 京都線 6300系」

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